曲は BanYa の「Beethoven Virus」です。Pump It Up に入っていたあの曲で、その元はベートーヴェンのピアノソナタ第8番「悲愴」第3楽章です。十二分三十六秒の拡張版に、人間と疫病の五千年を乗せました。
最初は時代ごとに字幕を付けました。「神の怒り」「悪い空気」「細菌」「ウイルス」。見返すと、どれも名札でしかなく、何も言っていませんでした。
調べて分かりました。virus は古典ラテン語です。二千年のあいだ毒、粘液、蛇の毒を意味し、ローマの人々は粘つく液体をそう呼びました。一八九八年、ベイエリンクが細菌をすべて濾し取る濾過器を通り抜ける何かを見つけ、その古い言葉を持ってきて名付けました。言葉はそのままで、意味だけが変わりました。
映像が言いたかったのは「形を変えただけだ」ということでしたが、言葉がすでにそれをしていました。そこで画面の文字をすべて入れ替えました。紀元前には名前がなく死者の数を刻むだけ、中世は VIRVS、近代は VIRUS、そして最後に緑のカーソルがまだ virus_ を打っています。
音源は高域が 12.8kHz で切れていました。21.6kHz まで復元してから使いました。
同じ基準で作ったものを一つの再生リストにまとめました。名前は History, Give or Take です。記録に基づくものもあれば、実際の戦争の上に立てた仮定もあり、ソユーズの生存キットに本当に入っていた拳銃の冗談もあります。どれがどれかは再生リストの説明に書きました。